【報告レポート】国際インバウンドフォーラムin Kansai開催いたしました!

7月12日、13日の2日間に渡り、大阪市で「国際インバウンドフォーラムin Kansai」を開催しました。2日間でおよそ200名の方にご参加いただき、盛況の内に幕を閉じました!

 

12日のフォーラムでは、「シビック・プライド形成による観光立国と地方創生の実現」をテーマに、関西を中心に観光振興に取り組んでいる方たちにご登壇いただきました。

<来賓挨拶>

坂野 公治 氏 (近畿運輸局長)

上田 弘 氏 (近畿農政局 次長)

 

<基調講演①>「Local&Globalの可能性」中貝 宗治 氏 (兵庫県 豊岡市長)

中貝市長からは、小さな町でもインターネットなどで世界にコンタクトを取ることのできる近年、「小さな世界都市」を目指して、豊岡市ならではの観光資源を世界にPRしている事例をご紹介いただきました。

豊岡市の城崎温泉では、昔ながらの3階建ての旅館街を維持し、海外の方も含めた旅行客が浴衣を着て温泉街を散策する風景を大切にしています。

さらに、絶滅したコウノトリを復活させ、現在では野外にも生息するまでになりました。豊かな自然の中、コウノトリと、登校中とみられる子供たちが一緒に写っている写真が紹介され、同じ環境の中で生活している様子が印象的でした。

豊岡市では、教育の観点でも、豊岡のことを学んだり英語教育に力を入れたりして、「小さな世界都市」の市民を育てることを大切にしています。まさに、地元の人が自分のふるさとを好きになり誇りに思うシビックプライドを形成するための環境づくりの良い事例なのではないでしょうか。

 

<基調講演②>「ふるさと納税型クラウドファンディングを活用したインバウンド振興」 太田 昇 氏 (岡山県 真庭市長)

岡山県真庭市では、地域の8割が森林であることを生かして、「木質バイオマス活用法」に力を入れています。オール真庭でのバイオマス発電所、さらに新建材による林業や木材産業の振興などに取り組んでいて、地域の資源を最大限に活用している事例としてご紹介いただきました。

今回の講演のテーマでもあるふるさと納税型クラウドファンディングについては、地域おこし協力隊として韓国から訪れたカン氏が、空き家を活用して「多国籍シェアハウス」を作るためにふるさと納税型クラウドファンディングを活用したことが紹介されました。ふるさと納税は、返礼品目的で地域のことも知らずに寄付するという風潮にありますが、この例のように地域を元気にするための「目的」を明確にし、地域での体験などを返礼品として提供することで、寄付先を好きになってもらい、訪れてもらうというふるさと納税本来の利用方法ができるのではないかとのことでした。

シェアハウスの例のように、海外から来た方たちは、普段地域で生活している人には当たり前でなかなか気づかないゆ良さや驚きを見つけてくれるという言葉が印象的でした。海外から訪れた方たちの視点で観光振興を進めていくのも一つの手段であることが分かりました。

 

<基調講演③>「観光立国革命~日本の未来をインバウンドで切り拓く!~」中村 好明 JIF理事長

中村理事長の講演では、JIFの創設経緯や、普段どんな取り組みを行っているかを参加者の方に知っていただきました。

さらに、海外に視察に訪れた際の気づきを共有しました。例えばシドニーでは、地元の人たちが週末おしゃれをして食事などに出かけることが当たり前です。観光客は、その地元の人たちの当たり前の中に身を置き、現地の人の楽しみ方でその土地を楽しむことができます。ドイツを訪れた際は、市場で野菜などの食材を買って自ら料理をして楽しめるようなホテルの設備などの環境が整えられています。

観光客の方が求めているのは「その土地の良いもの」です。その地域に住んでいる人が地元を好きになり、誇りに思うことが観光振興につながるのです。

「戦略」とは、「すでに起こっている未来を体系的に探すこと」であり、すでに起こっている未来の中で、持続可能な日本の観光振興を進めるための未来を選ぶのは、私たちだということをお伝えしました。

 

<パネルディスカッション>「観光立国と地方創生~シビック・プライドの形成がインバウンド振興のカギ~」

ファシリテーター:

中村 好明 (日本インバウンド連合会 理事長)

パネリスト:

松坂 浩史 氏 (文化庁 地域文化創生本部 事務局長)

羽渕 慎也 氏 (朝来市 産業振興部 観光交流課 主査)

長沼 毅 氏 (岐阜県 可児市教育委員会)

吉田 博詞 氏 (株式会社地域ブランディング研究所 代表取締役社長)

様々な立場からどのように観光振興に取り組んでいるかを4名のパネリストの皆さんに伺いました。皆さんのお話に共通していたのは、「なんでもないものに価値をつける大切さ」です。

文化庁の松坂氏からは、文化庁が京都に移ることについてご説明いただき、「文化」とは、地域の価値を高めるための付加価値であることをお話いただきました。

天空の城と呼ばれる竹田城で有名な兵庫県朝来市の羽渕氏は、豪華な甲冑を身にまとってご登壇くださいました。「日本一切れない刀」(スポンジのような素材でできています)を使って、大人も子供も楽しめるチャンバライベントを行っています。さらに、チャンバライベントを行うだけでなく、まち歩きも同時に行い、城下町を楽しんでもらう催しが大人気を呼んでいます。

かつては多くの城が築かれた岐阜県可児市の長沼氏からも、その山城を生かした取り組みについてご紹介いただきました。地域を知ってもらうきっかけとして、こちらもチャンバラ合戦イベントを行い、子どもや観光客に地域の良さを知ってもらい、交流人口を増やしていくプロセスについてご説明いただきました。

プレミアムな体験コンテンツを造り、提供している「地域ブランディング研究所」の吉田社長からは、旅行に来ている方たちは、その土地特有の特別な体験がしたくて訪れている。地元のものに、観光客が求めている付加価値をつけることが大切とのお話をしていただきました。例えば、オーストラリアに行った人は必ずと言っていい程抱っこしているコアラ。このコアラを抱く体験にも体験料を設定することで、価値を生んでいるのだということをご説明いただきました。

パネリストの方々のお話を受け、中村理事長からは、2つのキーワードが提示されました。

1つ目は、「bed townからhome townへ」です。住んでいるところは寝るためだけに帰るという考え方ではなく、生活のあらゆる場面で携わる「home」の存在にすべきという考え方です。生まれ育ったところではなくても、今住んでいるところも「ふるさと」として愛するべきというお話でした。

2つ目は、「ケの消費からハレの消費へ」です。「ケ」とは「日常」を意味します。私たちが生活する中で必然的に起きる消費は「ケの消費」。「ハレの消費」は、儀式や祭りなど「非日常」で起こる消費を意味します。インバウンドに必要なのはまさしく「ハレの消費」あり、インバウンド誘致のためには「ハレの消費」を作っていかなければならないということでした。

 

 

フォーラムの終了後には交流会も行われ、多くの方にご参加いただき、盛況のうちに開催することができました。

ご多忙の中ご登壇いただきました皆様、ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。

翌日13日は、フォーラム実践会も行われましたので、こちらもまた改めてご報告いたします!