【インバウンドミニコラム】日本が世界で生き残るためには

政府がインバウンドを必死で推進しようとしているのは、単にインバウンドが儲かる産業だからではない。

インバウンド以外に、これからの日本経済を支えていける基幹産業がもはやほかにないからである。確かにこれまでは、そして今なお製造業はわが国のGDPを支え、多数の雇用者を生みだす日本の基幹産業である。しかし、これからは違う。今後は国内の人口減少・需要減少に伴い、成長著しい海外消費地へと移転し、空洞化していくであろう。

2013年から2018までの対外輸出額(インバウンドの場合は訪日外客の消費額)の推移を見ても、着実に増えていっているのは、インバウンドだけである。2018年は4.5兆円となり、2013年の1.4兆円から3倍以上の増加となった。政府はこれを2020年には8兆円、2030年には15兆円とすることを目標に掲げているが、この15兆円という額は、長らく日本の最大の輸出品として経済を牽引してきた自動車産業(約12兆円)を上回ることになる。

つまり、インバウンドを日本最大の輸出産業にしよう、というのが政府の目指すところだ。それが、どこよりも急激に経済を成長し、どこよりも早く人口減少社会へ突入した日本が、「滅ばない国」として世界で生き残っていくための唯一の道だからだ。