JiF FESインバウンド&まちづくりフェスティバル2023/開催報告
JiF FES2023(ワークショップ) 開催報告
5日間の日程で開催されたJiF FESの4日目である3月4日の土曜日は2回のセミナースペースが、ガラッとレイアウト変更されて、ワークショップのための空間に。この日開催された3つのワークショップは、いずれもJiF会員であり、各方面でご活躍中のエキスパートが惜しげもなくそれぞれの世界観を「体験」を通じて伝えてくださった素晴らしい機会でした!
盆栽とお茶とヨガ。偶然にも「癒し」というキーワードで繋がったような、そんな御三方による1日。
ワークショップ①「植物空間デザイナーに学ぶ盆栽作り」
まず、はじめは住宅や店舗の植物空間をデザインする、植彩工房の潮田雄一氏による「植物を健康に育てる」ためのワークショップ。
植物を健康に育てるとは(?)からスライドを混じえてレクチャーしていただき、実際に植物を触りながら土の準備から水やりの方法、剪定の方法までを懇切丁寧に教えていただきました。参加者の皆様も、そのような熱意あふれる潮田さんに対し、積極的に質問されていたのも印象的でした。
「植物は人間と同じ」という言葉にハッとしました。確かに居心地が悪ければそれはストレスになって生育にも影響するし、充分に潤っているのに更に水をあげられた結果、根腐れを起こしてしまう。根本的な植物への思いやりをあらためて考えさせられる機会を頂けたような気もします。
潮田さんは今回のJiF FESでは1階での出展ブースでも自社商品を置かれていて、初日から毎日、訪れる方々にしっかりと、丁寧にお話しされている姿をお見受けし、素敵という言葉がピッタリでした。
ワークショップ②「宮大工に学ぶ組み立て茶室で茶道体験」
この日二つ目のワークショップは、京都で修行を重ね現在は千葉を拠点に全国で活躍をされている宮大工・数寄屋大工の合同会社相良工務所の相良昌義氏による「組み立て茶室で茶道体験」。ご自身で作られた組み立て式の茶室で茶道体験が出来るというもの。しかも宮大工・数寄屋大工の講師自らお茶を立ててくださるという、なかなか出来ない経験です。
実は私、この日の朝イチにこの茶室の組み立てのお手伝いをしました。学生時代にちょっとだけ建築を勉強していた事もあり、これには興味津々。相良さんの動きも見ながら思わず何度も質問をしてしまいました!どのような方が参加されるのか、未経験の方なのか、はたまた・・・なんてふたりで話しておりましたが、実際に参加された皆様は茶道経験がある方ばかりな様子。これには講師の相良さんの緊張感もグッと上がってしまったかも知れないと、いま思えばここについては事前にお聞きしておくべきだったとちょっと反省。
和服姿がとても素敵な方、次のワークショップにも参加のため動きやすい格好の方、正座ができないとの事で椅子のまま体験をされた方、前の方の作法をじっとみながら動きを合わせてシュミレートされている方、お友達同士で参加されてご自身でもお茶を立ててみる方、本当に様々な楽しみ方で多様性のある表情を見る事が出来ました。
これもすべて、木訥な印象の相良さんが引き出したものなのだろうと確信。この日のために修行時代を共にされた相良氏の友人の宮大工さんも、遥々京都から駆けつけて来られ、相良さんの講師ぶりを柔らかな表情でじっと見つめていたのもとても印象的でした。相良さんのお人柄を垣間見た一瞬でもありました。
ワークショップ③「TOKYOパワースポット白金でウェルネス体験!倍音浄化の癒しヨガ」
最後のワークショップは、いしかわ観光特使もされているヨガインストラクター・国際スポーツ&ウェルネスウィークエンド所属の栗原貴久氏による「クリスタルボウルの奏でる倍音とヨガ」の体験。これは「音瑜伽」と呼ばれているようです。はじめて耳にしました。
ワークショップ開始時には予定を上回る参加者で賑わいも感じられました。その中には中村好明JiF理事長の姿も。とても快活な印象の栗原さんが奏でるクリスタルボウルでの倍音がフロア全体に響き渡ります。私も後ろで写真を撮りながら様子をうかがっておりましたが、たまに目を閉じて耳を澄ませてみると明らかな違いを感じました。発せられる音がスッと体内に入っていくような、そんな感覚でした。
大きさや材質の違う幾つものクリスタルボウルから発せられる音が複雑に重なり合い、それが耳から入る揺らぎとなり、ヨガの動きと相まって心身がリフレッシュ。無音の癒しとはまた違った、新しい癒しのカタチに参加者の皆様も大満足な様子。ワークショップ終了時にはみんなで記念撮影も。
さいごに
偶然にも「癒し」というキーワードで繋がった、今回の3つのワークショップ。講師となって頂いた御三方の人間性を存分に感じられた1日で、単に訪日外国人を対象としたインバウンドを意識したものではない、JiF会員の底力のようなものを垣間見る事が出来たような気がしました。
気づけばもうJiF FESも終盤。ワークショップに直接参加せずとも、運営スタッフとしてお手伝いをしながら、癒しをいただき、帰路いい安らぎの中で気持ちも晴れやかに歩いた土曜の黄昏時の白金台が印象的でした。
文:山田和也(JiF事務局)